~ Vol.374 ~
冷え込みが日に日に厳しくなってくる季節。風邪を引くなどして、子どもがはなをかむ機会も増える。鼻水はほうっておくと、中耳炎など病気の原因にもなる。幼い頃から、正しいかみ方を身につけさせたい。がまんしなくていい』(集英社)、『大・大往生』(小学館)、『〇に近い△を生きる』(ポプラ新書)ほかがある。
東京都の会社員女性(37)は長男(6)がはなをかむのを嫌がり、頭を悩ませている。「かむのに失敗して、手がべたべたするのが嫌みたいです」。保育園では服のそでで拭くなどして過ごしているようだという。
東北医科薬科大教授の太田伸男さん(耳鼻咽喉科学)によると、本来、鼻水は鼻の中の湿度を保ったり、体を異物から守ったりするために必要な成分。ウイルスや細菌が侵入すると、それを流し出そうとして過剰に分泌する仕組みだ。
鼻水がたまったままだと、息が詰まって口呼吸になる。のどを痛めてせきが悪化するほか、良質な睡眠がとりにくくなり、子どもの場合、成長ホルモンの分泌に影響を及ぼすことがある。
耳やのどの方に流れ込むと、中耳炎や気管支炎などの原因になることもある。「小さい頃から鼻水が出たらきちんとかむ、という習慣を身につけさせることは非常に重要です」と太田さんは強調する。
鼻の穴の片側を押さえ、口で息を吸い込んだら、ゆっくりと鼻で息をはき出すのが正しい方法だ。1回にかむ量は少なくてよいので、少しずつ繰り返す。浴室だと、温度や湿度が高いため鼻水が出てきやすく、汚れても洗い流しやすい。
一番やってはいけないのは、すすり上げること。鼻水についたウイルスや細菌がのどや耳の奥に流れ、症状の悪化につながる。すする癖がついてしまう前に、「はなをかもう」などとこまめに声かけする。
鼻水がドロドロとした黄色や緑色になって、完全に詰まってしまったときは、病院で吸引してもらったほうがよい。また、サラサラした鼻水が長引く場合は、風邪ではなく、アレルギー性鼻炎の場合もあるという。「鼻水を甘く見ず、気になる場合は受診してください」と太田さんは勧める。
はなをかむのが苦手な子どもと一緒にできる練習方法もある。大王製紙でティッシュの商品企画を担当する森脇哲平さんは、「吸った息を鼻からはき出せるかが、ポイントです」と話す。
森脇さんが勧めるのは、ティッシュを使った方法。ティッシュ1枚を2~3センチ幅に裂き、子どもの鼻先にあてる。口から大きく息を吸い、いったん息をとめる。口を閉じ、片方の鼻を押さえ、もう一方の鼻だけで息をはく。きちんと息が出ていたらティッシュが揺れる。「親子で、どっちがはためくか競争をしてみても。ゲーム感覚で楽しく練習できるはず」と森脇さん。
はなをかむティッシュは柔らかい素材を選ぶとよい。子どもの皮膚は柔らかいため、硬いティッシュで何度もはなをかむと皮膚を痛める。水に流せるタイプのポケットティッシュを使っている家庭もあるかもしれないが、水に弱く、はなをかむときに手が汚れやすいので注意が必要という。
「うまくかめると体も心もすっきりします。根気よく教えてあげてください」と森脇さんは話している。
— 読売新聞より(2025年11月27日) —
寒い朝、吐く息が白く広がる静寂の中に立つと、身も心も引き締まります。そんな瞬間、凛とした清々しさを感じたことのある人は、どれほどいるでしょうか。
先行きが見えにくく不安が募る時代には、思いがけない出来事に巻き込まれたり、人間関係がこじれたりすることがあります。そのような時こそ、心に「空所」を持つことが大切です。
例えば、仕事が立て込んでいるときに、ほんの五分だけ席を離れて屋外の空気に触れ、深呼吸をする。忙しい朝に、少しだけ意識を家族に向け「おはよう」と声をかける。相手と意見が食い違ったときも、まずはその考えを受け止める。
こうした小さな実践が、心に落ち着きと余裕をもたらし、柔軟な姿勢を育ててくれます。その積み重ねは、やがて人間関係に温かさをもたらし、新しい発想や協力の芽を育んでくれることでしょう。
〈冬の寒さが私の心を育ててくれる〉と受け止める勇気と、日々の生活の中で空所を持つ工夫が、激動の社会をしなやかに歩むための秘訣なのかもしれません。
私たちが暮らす土地の「地名」は、地形や自然環境、そこに住んだ人々の歴史、信仰、慣習など、様々な背景を反映して名付けられています。 例えば、大阪の「道頓堀」という地名は、江戸時代の商人・安井道頓に由来します。道頓は川と川の間に堀を築くため、私財を投じて土木工事を行ないました。 道頓は、大阪夏の陣で亡くなりましたが、彼の尽力で堀が完成し、街や商業の発展への功績を讃えて、当時の藩主・松平忠明が「道頓堀」と命名したのです。 また、香川の「小豆島」は、かつて「アズキ島」と呼ばれていました。「アズ」は、崖や傾斜地、崩れやすい地形を意味する古語に由来します。 同様に、「阿蘇」も険しい崖地を表す「アズ」に由来し、「飛鳥」も飛鳥川の氾濫により地形が崩れやすかったことから、名付けられたと考えられています。 地名には土地の性質や歴史が刻まれているように、企業名にも、創業者の思いや理念、時代背景、そして先人たちの努力や苦労が込められています。 先人の歩みに思いを馳せながら、日々の業務に心を込めていきましょう。